オフショア投資がブームになってから数年が経ちましたが、積立の継続が難しくなってきて停止や減額、あるいは解約を検討している方も増えてきているように思います。
毎月300ドルの積立をしていた方にとっては、解約するとしても今までの積立がいくらになっているか、返戻金がいくらになるか気になるところだと思います。
しかし、実際に手続きを進めていこうとしても
- どこに連絡をしたらいいかわからない
- 返戻金が当初あった話とは違う
などのトラブルが発生しているという事例も聞くようになりました。
この記事では、実際には解約方法や解約手数料はどのようになっているかまとめたので、参考にしていただければと思います。
1. フレンズプロビデントの解約手数料
まず、フレンズプロビデントを解約するときに“解約手数料”が発生するということを知らなかった方も多いかもしれませんが、この解約手数料が非常に高い料率で、元本割れがほぼ確実になってしまいます。
もしあなたが解約手数料の存在を知らずに今まで積立をしてしまっていたとしたら、契約したときの代理店や紹介者が悪質業者の可能性が非常に高いです。現在は解約や停止を検討していなかったとしても、代理店や紹介者と連絡が取れるか確認をすることをお勧めします。
解約手数料は一律ではなく残契約年数によって変動しますが、その料率は以下の図になります。
残契約年数 | 手数料 | 残契約年数 | 手数料 | 残契約年数 | 手数料 |
30 年 | 91.5% | 20 年 | 81.0% | 10 年 | 56.5% |
29 年 | 91.0% | 19 年 | 79.5% | 9 年 | 52.5% |
28 年 | 90.5% | 18 年 | 77.5% | 8 年 | 48.5% |
27 年 | 89.5% | 17 年 | 75.5% | 7 年 | 44.0% |
26 年 | 88.5% | 16 年 | 73.5% | 6 年 | 39.5% |
25 年 | 87.5% | 15 年 | 71.5% | 5 年 | 34.0% |
24 年 | 86.5% | 14 年 | 69.0% | 4 年 | 28.5% |
23 年 | 85.5% | 13 年 | 66.0% | 3 年 | 22.0% |
22 年 | 84.0% | 12 年 | 63.0% | 2 年 | 15.5% |
21 年 | 82.5% | 11 年 | 60.0% | 1 年 | 8.0% |
※表の情報は当サイトが入手したもので、現在の正確な情報と異なる場合がありますので、正確なデータは各プロバイダーに直接お問い合わせください。
この手数料は、今までの積立額に対して発生しますが、非常に厳しいペナルティになっています。
この表に示しているのは積立年数25年の場合ですが、15年積立を継続しても今までの積立額の約半分が手数料として持ってかれてしまうということになります。
1-1. できるだけ早く解約して損失を少なく
この表を見ると、年数が経てば経つほどペナルティが軽くなるのでできるだけ継続をしようとする方もいるのですが、解約前提で考えているのであれば、できるだけ早く解約をすることをおすすめします。
例えば、毎月5万円の積立で今までに5年積立を継続していたとしたら、300万円口座に積み立てられていることになります(※計算をわかりやすくするために手数料、運用利回りは無視しています)。
そして、解約手数料は84%になるので返戻金は
解約手数料:300万円×84%=252万円
返戻金:300万円-252万円=48万円
48万円になり、252万円の損失になります。
では、ペナルティを軽くするために15年まで積立を継続したとしたら900万円になります。解約手数料は51%になるので返戻金は
解約手数料:900万円×51%=459万円
返戻金:900万円-459万円=441万円
441万円になり、459万円の損失になります。
15年積立をしている間に利回りで口座の金額が増えていることもあるかもしれませんが、逆に減っている可能性もあります。5年の時点で解約をしていれば252万円の損失で済みますが、15年積立を継続した場合の損失は459万円になります。
ペナルティの料率だけ見ると積立を継続した方が良さそうですが、損失を考えると早めにした方が損失は少なくて済むのです。
1-2. 満期まで継続しなければ意味がない
フレンズプロビデントを契約するときに、「いつでも解約できる」「途中で停止できる」などと言われて、満期まで継続しない雰囲気で契約を進めたかもしれませんが、オフショア投資の契約年数が長期になっているのは、長期にしている意味があり、満期まで継続して積立を行う前提で商品が作られています。
解約手数料が高くペナルティが厳しいかもしれませんが、そもそも満期まで継続することを前提としているので、この手数料は詐欺でもなんでもありません。
通常であればこの商品構造をしっかりと理解して積立を開始するはずですが、代理店や紹介者から解約手数料の話をされなかったり、身の丈に合っていない金額で積立をしていたとしたら注意が必要です。フレンズプロビデント自体が詐欺ではなくて、代理店や紹介者が詐欺の可能性があります。
中には友人に誘われてフレンズプロビデントを契約してしまったという方も多いと思いますが、その友人の方も投資の専門家ではなく一般の方である可能性の方が高いです。あるいか、少しセミナーで投資を勉強しているけど、その勉強自体が正しいことを勉強しているとは限りません。
もっと言ってしまうと、その友人の方も騙されている可能性も非常に高いです。あなたを騙そうと思って誘ったのではなく、良かれと思って誘っていることの方が多いです。
ここまでの話に心当たりがある方は、今契約をしているフレンズの契約について問題がないか確認して、継続するか解約するか、その他変更をするか、検討してみてください。
2. フレンズプロビデントの解約方法
フレンズプロビデントの解約に必要な書類、手続きを以下にまとめました。どれも必要な書類ですが、証券原本は非常に重要な書類ですので、手元に残っているか確認をしておきましょう。
解約に必要な書類・手続き
- 解約書類に必要事項を記入しサインをする
- パスポートのコピー(契約時からパスポートを更新している場合は以前のパスポートも必要な場合があります)
- 住所証明(国際運転免許証のコピー、英語の住民票、英語の銀行残高証明、など)
- 銀行口座情報(返戻金の送金先になります)
- 証券原本
※証券原本を失くしてしまうと…
証券原本を失くしてしまっても解約は可能ですが、諸々手続きをしなければいけません。
- 証券紛失届け出書類への記入・署名
- 証券紛失届け出書類の交渉人役場での認証
これらの手続きが必要になります。
また、金額は証券の価値によって変動しますが、手数料も発生します。必要以上の手間や費用を避けるためにも、証券原本はしっかりと保管しておくようにしましょう。
3. フレンズプロビデントを解約すべきか?
フレンズを解約すべきかどうか?という質問をいただくことも多いですが、基本的に解約すべきかどうか迷っている人は「解約すべき」と言えるでしょう。
オフショア投資の特性をしっかりと理解して積立を始めた人は、解約すべきかどうか自分で判断することができます。また、満期まで確実に積立ができる金額で契約をしているので、何らかの事情が発生しない限り解約のことは検討しません。
しかsし、そうではなく流れや雰囲気で契約してしまった人は、そもそも商品の構造を理解していなくて投資をしてしまっており、非常に危険な状態です。「儲かる話があるから、乗らないか」と言われて安易にお金を払ってしまっているのと同じで、投資ではなくギャンブルになってしまいます。
ギャンブルにこのままお金をつぎ込んでもリターンに期待できないことは理解できると思います。自分の資産と体力を少しでも守るためにも、解約を検討した方が良いかもしれません。