ハンサードの手数料と、積立停止、減額、引き出しなどの手続きの条件について解説していきますが、そもそも手数料が発生することを知らなかったり、各手続きをするために条件が必要ということを知らない方も多いのではないでしょうか?
手数料を考慮すれば、年利10%で運用することは到底不可能であることがわかったり、減額、停止などを行えば運用がかなり不利になるということもわかるようになります。
もしかすると、直視したくない事実かもしれませんが、ハンサードの契約内容をしっかりと見直して自分が契約した商品はどんなものだったのか、把握しておきましょう。
場合によっては、とんでもない契約をしてしまった、ということに気がつく方もいるかもしれませんが、対策はその後。まずは事実を確認することにしましょう。
※契約時に説明をされているはずですが、ハンサードを含む海外ファンドの積立投資を理解する上で、「初期口座(Initial Account)」と「貯蓄口座(Accumulation Account)」という概念を知っておく必要があります。万が一聞いたことがないという方は、「初期口座と貯蓄口座の役割」こちらの記事で解説しているで先にお読みいただくと良いでしょう。
1. ハンサードの手数料一覧
手数料の話を聞くと、自分が積立をしている口座はどうなっているのか、と不安になる方もいると思いますが、まずは冷静にどのくらいの手数料が発生しているのか、事実を確認していきましょう。
年間管理手数料:
初期口座 8%/年
貯蓄口座 1%/年
サービス手数料:
12.25£(約1,800円)/月
払込済みの場合 14.25£(約2,020円)/月
サービス手数料は貯蓄口座が始まった月に積立開始から24ヶ月分をまとめて引き落としされます。
スイッチング手数料:
オンライン 無料
書類 45£/回
信託手数料:
総資産に対して 1%/年
早期解約手数料:
残契約年数によってことなります。
ビッド/スプレッドオファー:
7.5%
解約時、満期時に総資産に対して7.5%の手数料が発生します。
1-1. 多くの手数料が発生している
まず、これらの手数料が発生していきます。特に最初の初期口座期間は年間管理手数料だけでも、8%発生するので、年間8%の利回りを出してやっとトントンになるというイメージです。また初期口座期間が過ぎると貯蓄口座を合わせた投資管理口座に対して1%の管理手数料が発生していきます。
このように、利回り10%というのはとんでもなく現実味のない話で、これらの手数料の話をしっかりと確認していれば安易にオイシイ話に乗っかって契約する何てことはなかったかもしれません。
2. ハンサードの各手続き条件
続いて、ハンサードの各手続きの条件について解説していきます。手続きとは、積立停止、減額、引き出し、解約などのことで、これらの手続きをいつでもできるからということでハンサードを契約した方も多いでしょう。実際には手続きに条件があるのです。
一時停止:
初期口座期間が終了し、かつ貯蓄口座に500£たまった時点で、最大1年間の一時停止が可能です。また、5年に1度しか使えず、貯蓄口座が100£以下になった時点で、積立再開が必要になります。
払い込み済み:
初期口座期間が終了し、かつ貯蓄口座に2,500£たまった時点で、無期限の休止が可能です。(Paid – Up)
払込済みの場合は、管理手数料が14.25£になり、貯蓄口座が100£以下になった時点で積立再開が必要になります。
減額:
貯蓄口座での積立がはじまり次第、150£まで減額が可能ですが、一度減額をすると元の積立額に戻すことはできません。
また、減額することによって各種ボーナスがなくなることがありますので、ハンサードに直接お問い合わせをするか、IFA、代理店、に確認をとりましょう。
引き出し:
初期口座期間が終了し、かつ貯蓄口座に2,500£たまった時点で、それ以上の金額を引き出すことができます。
例)
貯蓄口座が3,700£の場合、1,200£まで引き出すことが可能です。また、初期口座から引き出しが可能なタイミングは、満期時、死亡時のみです。
3. ハンサードの積立投資は満期まで継続することが大前提
ハンサードなどの海外ファンドの積立投資は、基本的に満期まで積立を継続することを前提に作られている商品です。途中で停止したり減額することは考えることはまず無いという前提の元に契約するべき商品です。
おそらくハンサード自体もそのようなつもりで商品を出しているのだと思います。
しかし、あなたにハンサードを紹介した代理店や先輩、友達などの紹介者は、年利10%出すのが当たり前かのように説明し、さらに停止、減額、解約することが問題無いかのように話をしてきたのではないでしょうか?
3-1. 日本人のほとんどは詐欺業者に説明されている
仮に年利10%で運用できるとしたときに、確かにそれは満期になったときにはリターンは大きいです。しかし、ハイリターンを期待するならハイリスクもあるということは、海外商品だとしても変わりはありません。
優良なIFAや代理店であれば、あらゆるリスクを説明した上で無理のない運用プランを組んでくれるはずですが、そのような説明や無理のないプランを組むということはやっていないと思います。
現在の経済状況やライフプランなどは加味せずに「長期契約したほうが良い」という言葉を鵜呑みにしてハンサードの契約をしてしまったのではないでしょうか。
3-2. 長期契約をすれば高い紹介料がもらえる
ではなぜ、IFAや代理店は長期契約をさせようとしているのかというと、長期契約が取れればその分高い紹介料をもらうことができるからです。
ライフプランやお客様の経済状況を一切気にせず、とにかく「多くの長期契約」を取ることしか考えていないといっても過言ではありません。
- 年10%の利回りが見込める
- 積立が大変になったらいつでも停止できる
- 解約したければいつでもできる
などのオイシイ話しかせずに、それをやることによるペナルティの説明はしないのです。
4. 停止、減額は不利になる。解約はほぼ元本割れ
海外ファンドの積立投資は、初期口座は人質にしたつもりで貯蓄口座にいかに積立をすることができるかがポイントです。
つまり、停止、減額をすればするほど手数料は据え置きのままだったり、ボーナスが受け取れなくなったりと、運用は不利になっていきます。
また、解約をすると非常に大きなペナルティを受けることになります。ハンサードの場合は投資管理口座全体に解約手数料が発生するので元本割れはほぼ確実で、大幅な損失になってしまいます。
4-1. ペナルティを怖がるよりも早期解約で損失を最小限に
しかし、ペナルティの話をすると、そのペナルティが怖いからといって解約をしないで停止を希望する人が多いです。再開の目処が立っていて計画的な停止であれば悪くないと思いますが、払えなくなったからとりあえず停止するというのは避けましょう。
払えなくなって停止する場合、その後積立を再開することはまずありえません。また、払えるか払えないかの精神的なストレスはかなり大きなものがあります。残りの契約年数は数十年あると思いますが、その期間、ずっと支払いに追われてしまうのは健全ではありません。
そもそも冷静に考えれば無謀な契約をしているので、満期まで継続して積立ができるという話は白紙に戻すべきです。
たとえ大きなペナルティが発生したとしても、解約は早ければ早いほど損失は少なくなり、精神的苦痛も早くなくなります。
5. ハンサードの解約
最後になりますが、ハンサードの解約に必要な書類はこちらになります。
- 解約申請書類
- 証券原本(契約書原本)
- 本人確認書類(パスポートコピー等)
- 住所確認書類(免許証、国際免許証コピー等)
※こららの書類を用意してマン島まで送ることになります。
「早期解約はおすすめしない」という情報を提供しているサイトも多いですが、そもそも満期まで確実に積立を継続できると言えないのであれば、間違った契約をしていると思われるので、当サイトでは解約することをおすすめしています。