海外ファンドの積立商品を提供しているプロバイダーの一つである「ハンサード」ですが、2010年頃にオフショア投資が流行り、日本人の契約者も多くいると思います。そんなハンサードですが、詐欺ではないかという噂が流れていたり被害者の会が立ち上がったりと、積立をしている方からすれば不安になる話もあがっています。
後述していきますが、ハンサード事態は詐欺会社ではなく、オフショア投資も計画的に組めば将来のための資産形成に役立つ投資です。
しかし、多くの日本人契約者はその積立内容を見直す必要があるようです。今回の記事ではハンサードの基本情報と積立時の注意点をまとめていきます。
1. ハンサードの基本概要
ハンサードインターナショナルは1987年に創立された会社でハンサードグローバルグループの一つとなっています。
オフショア投資を提供しているプロバイダーの中にはロイヤルロンドンという老舗企業がありますが、ロイヤルロンドンは1861年に創立されており140年の歴史を誇ります。そのような企業に比べるとハンサードは歴史の浅い会社になります。
住所:
Hansard International Limited
Harbour Court
Lord Street
Box 192
Douglas
Isle of Man
IM99 IQL
アドバイザー:
528人
ハンサードも世界有数のオフショア金融管轄地であるマン島に本社があります。マン島は生命保険加入保護法によって、万が一会社が倒産しても時価総額の90%を政府が保証してくれます。このような法律があるため、どんな企業でもマン島で登記ができるというわけではなく、経済状況等の審査は厳しいようです。
そのため、企業としては世界的にみても信頼度が高い企業です。
1-1. ハンサードのサービス
ハンサードは保険や年金プランをイギリスのみならず世界各国の個人、企業に提供しています。
海外では公的年金制度を設けていない国もあり、老後のための資産形成はいわゆる自分年金で行います。そのための保険商品としてハンサードの積立商品が契約されることがメジャーになっています。
ハンサードが選んだ100種類を超える世界トップクラスのファンドから、10種類ほどのファンドを選んでポートフォリオを組んで投資できる口座を提供しています。
1-2. ハンサードの積立商品
ハンサードの商品は積立型のAspire(アスパイア)と一括型のUPP(ユニバーサル・パーソナル・ポートフォリオ)がありますが、アスパイアは日本では悪質業者や紹介者が営業行為をしたため、販売中止になっています。
日本ではアスパイアを契約している人が多いかと思われます。
2. ハンサードは詐欺なのか?
ハンサード=詐欺というような噂が流れていたり被害者が出ているという話がありますが、実際にはそのようなことはなく、ハンサード自体は詐欺会社ではありません。
1987年創立と、オフショア投資の商品を提供しているロイヤルロンドンなどのプロバイダーと比較すると歴史は浅いですが、マン島にあるしっかりとした会社です。
2-1. ハンサードの商品自体は厳しい
ただ、ハンサードのアスパイア自体は厳しい商品になります。契約の話を聞いた際に年利10%で運用が期待できて、満期まで積立を継続したら数億円になって戻ってくるというような説明を受けたかもしれませんが、実際にはそんなに単純な話ではありません。
例えば、運用するに当たって各種手数料が発生したり、マイナス運用になったり、ポートフォリオをしっかりと組んでもらう必要があるなど、考えなければならない点は少なくありません。
そもそも、ハイリスクハイリターンという構造は日本の商品だろうが海外の商品だろうが変わりません。仮に毎年10%の利回りが期待できて数億円という大きなリターンが見込める裏には、必ず大きなリスクもあるはずです。
このようなリスクの話も含めてしっかりと説明を聞いてハンサードを契約したならば問題ありませんが、聞いていないのであれば、詐欺業者から契約をしてしまった可能性があります。
3. ハンサードの商品紹介、勧誘は違法
あなたがハンサードの商品を契約した経緯は、先輩や友人に紹介されたとか、投資セミナー等でハンサードの商品を紹介された、というような経緯があるのではないでしょうか?
実は、ハンサードの商品の紹介などをすることは違法行為に当たります。金融庁に登録されていない商品を販売、紹介、勧誘することは違法です。
しかし、紹介料をもらえるということを受けて、ネットワークビジネス、マルチ商法的なやり方で、ハンサードの商品を紹介・契約する人が増えてしまいました。
あなたも、違法行為を行っている代理店や紹介者を通してハンサードを契約してしまったのではないでしょうか?その場合、急に代理店と連絡が取れなくなったり、サポートが受けられなくなったりと、今後様々な問題が起こり得ます。
まずは代理店に連絡をして存在しているかどうか確認をし、連絡が取れたら、場合によってはポートフォリオの変更や、減額、停止、解約などの手続きを行いましょう。
仮に連絡が取れない場合は、当社までお問い合わせをいただければ、変更や解約手続きのサポートをさせていただきます。
ちなみに、消費者がハンサードの商品を購入すること自体は違法ではありません。合法的にハンサードの商品を契約するには、IFAに連絡を取って契約書等の書類を取り寄せます。そして必要事項を記入し、IFAに郵送します。そこからIFAがマン島に郵送して手続きが通れば完了となります。
ハンサードは自分で書類を送っても受け取ってはもらえません。必ずIFAを通しての手続きとなります。
4. 身の丈に合わない契約をしてしまったら…
日本人で、ハンサードを含むオフショア投資の商品の契約をしている人の中で、ハンサードの商品のことをしっかりと理解して身の丈にあった内容で契約をしている人はほとんど居ないと思われます。大体の場合、悪質業者のオイシイ話を鵜呑みにしてしまい、しっかりと理解しないまま契約をしているのではないでしょうか。
もし現在、毎月の積立が大変と感じているとすれば、それは無理した契約と言えるでしょう。その時にまず考えていただきたいのは、満期までの残りの契約年数を“確実”に継続して積立ができるか?ということです。
そこで「YES」と即答できないのであれば、数億円のリターンという幻想は捨てて、早期解約することをお勧めします。ペナルティなどを恐れて解約に踏み切れない人も多くいますが、たとえ20年積立をしたとしても満期まで継続できなけれなペナルティは発生します。
さらに、一度毎月の積立に不安を感じてしまったら、その後も不安はなくなることはなく、満期まで不安と隣り合わせで生活をしなければいけません。
そういった点も踏まえると、損失を一番少なくし、精神的にも健全な状態を保てるのは早期解約に限ります。
- せっかく契約したのだから、
- 解約料うんぬん、
というご意見もありますが、そもそもをもう一度見直しましょう。詐欺業者にハンサードの紹介をされ、契約が身の丈に合っていないのであれば、どんな選択が健全か、お分かりかと思います。