2010年頃にオフショア投資が流行りましたが、その中でもインベスターズトラストと契約をした方も多いのではないでしょうか。特に大学生のような若者がインベスターズトラストの商品を契約することが多かったようです。
積立開始から一定期間以上経っている方も多いと思いますが、自分の口座はどうなっているのか?しっかりと運用されているのか?お金は戻ってくるのか?など不安や気になることもあると思います。中には見直しをされていて、解約などの手続きを検討している方もいるでしょう。
様々な手続きを行うまえに、もう一度自分が契約している商品についておさらいしておきましょう。
1. インベスターズトラスト「エボリューション」の手数料
インベスターズトラストを契約している方の大きくは「エボリューション」を契約してると思いますが、そのエボリューションの気になる手数料をまとめました。
年間管理費用:
1年目~10年目 1.9%
11年目以降、プラン期間中 0.35%
プラン手数料:
7ドル・ユーロ/月
4.5ポンド/月
資産管理手数料:
ファンド残高 0.125%(1.5%/年)
ファンド変更手数料:
毎年15回まで無料
※15回を超える場合は手数料発生
ビッド・オファー・スプレッド:
なし
2. インベスターズトラスト「エボリューション」商品概要
通貨:
ドル、ユーロ、ポンド
拠出額:
1,200ドル/年
追加拠出:
一括払い 2,500ドル
追加拠出 600ドル/年
投資期間:
10年、15年、20年、25年
一部解約:
2年目の終了時以降から600ドルから可能。
※1,200ドル+解約手数料相当額のプラン維持額が必要
追加配分:
1,200 – 1,799 ドル/ユーロ/ 英ポンド 100%
1,800 – 3,599 ドル/ユーロ/ 英ポンド 101%
3,600 – 5,399 ドル/ユーロ/ 英ポンド 102%
5,400 – 7,199 ドル/ユーロ/ 英ポンド 103%
7,200 – 13,499 ドル/ユーロ/ 英ポンド 104%
13,500 ドル/ユーロ/ 英ポンド 以上 105%
ロイヤリティボーナス:
1年目から10年目:拠出金の7.5%
11年目から15年目:拠出金の5%
16年目から20年目:拠出金の5%
21年目から25年目:拠出金の5%
契約可能年齢:
10年積立:18~75歳
15年積立:18~70歳
20年積立:18~65歳
25年積立:18~60歳
3. インベスターズトラスト概要
インベスターズトラストケイマン諸島にある保険会社で、ケイマン諸島金融管理局から許可を得ている国際的に信用のある保険会社です。アメリカのAMベスト格付け会社から「安定」の評価をされています。
オフショア金融センターは国土が小さいことから農業や工業などの産業を展開できない代わりに、金融を発達をもって経済を安定させています。
3-1. インベスターズトラストは日本語対応
海外積立商品の契約で一番の問題は言語対応だと思います。英語でのやり取りが基本のため、書類やホームページすら読めなくて不安になる方も多いですが、インベスターズトラストは日本語に対応しており、ホームページも日本語で解説がされています。
長期積立の手続きは契約時だけでなく、クレジットカードの変更、スイッチング、停止、解約などのやり取りが都度発生し、その数も数回ではありません。
その点、日本語での対応をしてくれるのは大きなメリットですし、安心材料です。
4. インベスターズトラストの格付け
保険専門格付け会社「A.M.ベスト社」の評価はB++です。
この評価は収益、払込資本などから判断された評価ですが、実際に発行済み証券が46,000と少ないことや、税取前収益が2011年から3年連続マイナスとなっていることなどを踏まえて、保険会社としては小規模であると言えるでしょう。
ケイマン諸島金融管理局から許可を得ていることが安心材料とはいえ、ケイマン諸島自体の信用が危ぶまれているという見方もあり、長期積立を行うにあたっては不安を拭いきれないところはあるでしょう。
5. インベスターズトラストを解約するまえに…
インベスターズトラストの解約を検討されている方は、その理由として
- 積立が継続できなくなってきた
- 商品自体が不安
というものがあると思います。
オフショア積立について解説しているサイトの中には、解約する前に積立の停止や減額、ポートフォリオの見直しなど、様々な対策を提案していますが、それらの対策の前にもう一度根本的な部分を見直していただきたいと思います。
まず、オフショア積立というのは長期的に継続して積立を行うことを前提としており、停止、減額などは選択肢に入れるべきではありません。契約の際に満期まで無理なく確実に継続可能な範囲で商品を選んだはずです。
そのように選んでいる人は、基本的無理なくやっているはずなので、解約を検討することはありません。とはいえ、それでも人生には様々なイベントが発生するので、数十年単位で見ると継続できなくなることもあるでしょう。
そもそも満期まで達成した人はまだいないのですが、満期まで継続して積立ができる人は5%もいないだろうと言われています。
5-1. 選択肢は2つ
オフショア積立を今後どうするかを検討していくべき時期にあると思いますが、その際に選択肢は基本的に2つしかありません。
- 満期まで継続する
- すぐに解約する
この2つのいずれかです。
そして、つまり今後継続するなら、満期まで積立ができるかどうかで判断しましょう。今後のライフプランなども加味して子供の養育費や住宅ローンなどの出費がすでに予想されていて、投資に回すことが難しそうというのであれば、解約の方向を考えましょう。
いろいろな出費やライフプランを考えて、それでも満期までの積立分を問題なく確保できるのであれば、そのままオフショア投資を継続しても問題ないと思われます。
この2択は究極の2択と思うかもしれませんが、そのくらいの覚悟で「個人投資家」という自覚をもって判断するようにしましょう。