現在まで継続してオフショア投資をしている方は、積立を開始してから5~10年ほど経過していると思いますが、積立額が高くて毎月の支払いが大変と思っている方もいるのではないでしょうか。
これが、あと20年以上継続しなければならないとなると、本当に継続できるかどうか不安になっているかもしれません。もし、今の積立に不安がある方は身の丈に合っていない投資をしてしまっているかもしれません。
契約のときにIFAや代理店のプランナーと一緒にライフプランを相談して投資する商品を決めていないのであれば、健全な投資を行っているとは言えないでしょう。
自分は本当はどのような額であれば投資できるのか、投資のルールを確認していきましょう。
1. 身の丈に合った投資とは?
オフショア投資を始めたときに紹介者からお金に関する様々な説明をされたと思います。
- 老後に必要なお金は1億円
- 日本政府にはもう期待できない
- 年金をもらえるとは限らない
- 海外に資産を移してリスクヘッジをする
- 日本人がオフショア投資できるのは今しかチャンスはない
など説明を聞いて、将来のためにと思って積立を始めたかもしれません。場合によっては半ば強引に多少煽られて契約せざるを得なかったという方も多いのではないでしょうか?
しかし、ここで考えていただきたいのは、
- あなたは本当にオフショア投資が必要だったか
- オフショア投資ができるほどの経済状況だったか
- 騙されて契約していないか
ということです。
オフショア投資をやっている人の傾向としては、最初の段階で投資をする意味を理解できていてオフショア投資のメリットやリスクを踏まえたデメリットがしっかりとわかって契約をしている方は、数年やそこらでは投資を継続すべきかどうかで悩むことはありません。
満期まで確実に継続できると見立てて無理のないプランで投資をしているので、余程のことがない限り積立停止や解約を検討することはありません。仮にあったとしても信頼できるIFAに相談できるので、不安も最小限に抑えていることと思います。
この時点で「自分は間違った投資をしているかもしれない」と思っている方もいるかもしれません。次の章では身の丈に合っているか判断するための簡単なルールを解説していくので、参考にしてみてください。
2. 投資に使っても良い金額
自分の収入の中からどのくらいを投資に当てて良いか考える時に「50:20:30の法則」を一つの指標にすると良いでしょう。
「50:20:30の法則」は簡単に予算を3つに分けて収入からいくら割り当てるべきか考えていきます。
2-1. 固定費を50%以下にする
固定費とは、家賃、住宅・クルマのローンなどの毎月安定して出費がある費用です。ケータイ料金や月額課金のアプリ、ジムの会員費用なども固定費に当てます。
このような固定費は以外と多く発生していることがあります。デジタル化されて簡単に契約ができるようになったことにより、必要以上に固定費がかかってしまっていることや、使っていないのに支払いだけをやっているものもあるのではないでしょうか。
このような固定費は収入(手取り)の50%を超えないようにやりくりをします。
2-2. 投資は20%でやる
収入(手取り)の20%は投資に回します。自分の資産を増やしていくために考えていきます。投資にはという3つの種類がありますが、これらは収入の20%以内で行うようにします。老後のための貯蓄、マイホームの頭金、オフショア投資などです。
収入の20%を投資に当てるとしたときに、ここで一つオフショア投資に使っても良い金額の目安が分かります。
例えば手取りで25万円ある方であれば、投資に使える金額は5万円ということになります。オフショア投資をやっている人は毎月5万円で積立をしている人が多いと思いますが、5万円積み立てるのであれば最低でも手取りが25万円必要ということになります。
2-3. 自由なお金を30%確保する
残りの30%は自由に使えるお金として確保します。自由なお金といっても食費・外食費、日用品、趣味・娯楽、などを指しますので、生活費として毎月固定で発生すると思います。
人により自由に使うお金の重要度は異なるので、最大で30%を超えないようにすることが重要になります。
3. 自分の経済状況と向き合うことが重要
「50:20:30の法則」を見ていきましたが、非常にシンプルに確認することが可能だと思います。シンプルすぎて本当にこれで効果があるのかと疑問に思う方もいると思いますが、このような簡単な法則でまとめるだけでも自分の支出が把握できます。
簡単に把握するだけでも自分に必要なものや不要なものが一目瞭然になります。漠然としたお金の不安がのであれば、まずは自分の経済状況を把握することから始めなければいけません。簡単にまとめるだけでも把握することで、次に何をやるべきかわかるようになります。
3-1. 投資のためのお金を天引きする
簡単にまとめただけでも支出のバランスが見えてくると思いますが、投資に当てる20%を確保するのは意外と難しいことがわかります。明確にルールを決めておかないと自由に使えるお金がどんどん増えていき30%を超えてしまいます。
そこで、しっかりと投資のお金を確保するために積立分を手取りから天引きする方法もあります。
3-2. 資産形成の式
資産形成をするに当たって以下の式を当てはめて積立分のお金を確保するという考え方があります。
資産形成={(収入-積立分)-支出}×運用利回り
積立分を先に天引きしてしまい、確保しておきます。その金額に運用利回りがついて資産形成がされるという考え方です。
そしてこの天引き分は収入全体の最大20%に抑えなければいけません。あなたが今積立をしている金額は「50:20:30の法則」と資産形成の式に当てはめたときにオーバーになっていないか、確認してみましょう。
4. オフショア投資を継続すべきか?
ここまで紹介している法則にのっとって投資を開始しているのであれば問題はありませんが、専門的な相談をしていないまま投資を始めてしまった人は、このまま継続すべきかどうかを一度検討しましょう。
今の仕事がなくなっても向こう1年間は生活できる余裕がある
例えば実家暮らしなどの出費をあまり気にしなくて良い方であれば問題ありませんが、家族を養う責任はある方は、養えるだけの貯蓄を確保しておく必要があるでしょう。ざっと向こう1年分は見ておきましょう。
手取りの20%以下で積立ができている
これは先ほど解説した通りです。できれば10%以下であればもっと安心でしょう。
向こう10年は安定した収入が見込める
積立投資は長期継続することを前提として行う投資です。そのためには長期的に安定した収入が見込めることが重要なポイントになります。10年間安定した収入を見込めるかどうかは誰にもわかりませんが、本人の意思として仕事を継続する気があるかどうかが重要になります。
10年後にはすでに定年を迎えているという方は、定年後の残りの年数はどのように積立のお金を確保するかしっかりと考えておかなければいけません。
向こう10年は出費に対しての準備ができている
向こう10年の出費についてはどの程度予測ができているでしょうか?家や車などの大きな買い物があるかもしれませんし、子供の養育費や両親の介護・医療費、が必要になることもあるかもしれません。
「将来のための投資」という、うまい話に簡単に乗らずに、現実的にどのくらい出費が発生しそうなのか、準備をしておくだけでも投資に対する考え方が変わってくるはずです。