海外積立投資で不安になる原因と解決策

海外投資をはじめた方の多くはすでに5年程積立を継続しているのではないかと思いますが、積立当初の期待感や高揚感はなくなり、むしろ不安になっている方の方が多いと思います。

「自分が積み立てているお金はどうなっているのだろう…」

と不安になっている方は、この機会に自分の投資を見直していただきたいと思います。

1. 海外投資をやり始めた経緯は?

まず、あなたが海外投資をはじめた経緯について確認をしていきたいのですが、ロイヤルロンドン、フレンズ、ハンサード、インベスターズトラストなどの投資を始めた方は以下のような経緯の中で始められていると思います。

友人や先輩に「将来のために海外投資を始めた方が良い」と言われて、投資商品を紹介されてセミナーに参加してみた。

日本政府に年金のことはもう期待できないから、これからは自分で資産を作っていかなければいけない。そのために利回りの良い海外投資を行うと良い。

利回りは年に10%以上出て、毎月5万円ずつ投資していけば25年後には1億円になっている。もし毎月の積立が継続できなければいつでも停止、減額、引き出し、解約が可能になる。ただし、最初の2年間は積立を継続しなければいけない。

このような説明を聞いて、友達からの紹介だし、いつでもやめることが出来るみたいだから、とりあえずやってみよう。というところで始めた方が非常に多くいます。

この限りではなくても、近い形で海外投資を紹介されて始めているのでは、と思います。

合わせて、「海外の銀行口座を持っていれば税金対策が出来る」という説明をされて、口座開設ツアーと称されたツアーに参加して香港まで行ってHSBCの口座を開設したのではないでしょうか?

そのようなツアーは2010年頃から大流行して、香港に渡航する日本人が急増して話題となりましたが、それから7.8年が経ち、様々なトラブルに巻き込まれてしまう人が後を絶ちません。

1-1. 海外投資を紹介された人と連絡が取れない!?

一番多いのは「紹介された方と連絡が取れない」というトラブルです。最初の数ヶ月、数年はサポートがあったけれど次第に連絡が途絶えてしまい、積立が難しくなったり変更手続きを行いたいと思って連絡したけれど、もう連絡も取れない、という事態に陥る方が急増しています。

紹介された友人の方に聞いてみても、「すでにその仕事から手を引いてしまい、どうなっているかはわからない」と言われてしまう。

これからどうすればいいのか?
これまで積み立てた資産はどうなるのか?
もしかしたら、詐欺に遭ってしまったのではないか?

と不安になってしまうと思いますが、投資商品自体は詐欺ではありません。ではどうすれば良かったのか?次の章から解説していきます。

2. 投資商品の販売手法に問題がある

海外投資の商品を契約する際にトラブルになりがちなパターンとしては「代理店」や「紹介者(二次代理店)」が間に入っているパターンです。

通常はIFAから直接クライアントとやりとりがあり、代理店は入りません。※厳密に言えばクライアントからIFAへコンタクトを取る、という流れが合法的なやりとりになります。

しかし、海外投資を契約している日本人のほとんどが代理店が入っているパターンで投資を始めています。そしてこの代理店や紹介者(二次代理店)は販売手数料を受け取っているのです。あなたに紹介した友人も、ほぼ間違いなく、紹介料としてフィーを受け取っているのです。

場合によってはあなたに紹介をしたその友人の方も、誰かに紹介されて投資を始めたかもしれません。そして、この商品を紹介することで手数料を受け取っているのだと思います。

2-1. 海外投資がマルチ商法的に広がっている

このような販売方法はいわばマルチ商法といっても過言ではありません。紹介された側も紹介する側もマルチ商法をやっている感覚はないと思いますが、この構造はマルチ商法といっても過言ではありません。

投資商品の販売の流れは

IFA→代理店→二次代理店→X次代理店(紹介者)…

と流れていきますが、この中でしっかりとした金融の知識を持っているのはIFAと代理店のみです。場合によっては代理店ですら金融の情報がないかもしれません。あなたももしかすると、誰かを紹介してくれたら紹介手数料が発生すると言われたかもしれません。

そして、その流れの中で「利回り20%」「満期になったら数億円」「いつでも解約できる」などといった誤解を招きかねない情報が出回ってしまっているのです。

2-2. 投資より目先の手数料が優先になってしまっている

では手数料がいくら入ってくるか?というと、ある代理店の情報では紹介したクライアントが契約した積立額の3ヶ月分と言われているようです。毎月5万円の積立額であれば15万円が紹介手数料として入ってくることになります。

つまり積立額が高ければ高いほど紹介手数料は高くなります。場合によっては毎月100万円の積立をしている人もざらではないので、そういった方を紹介できれば大きな金額が入ってくることになります。

そのため、そもそも投資をすることが目的だったはずが、いつの間にか目先の紹介料に目がいってしまい、目的を見失いがちになってしまいます。そして紹介するためにはウマい話をして乗ってもらいたいので、多少の誇大表現になってしまったということです。

2-3. 代理店が存続できなくなってしまっている

このように契約者は増えていくものの、しっかりとした情報を持ち合わせていない人たちが商品を契約してしまったため「当初の話と違う」というクレームが横行し、代理店が存続できなくなってしまうという事態になってしまったのです。

代理店が失くなってしまったら、残されたクライアントは元々金融の知識がないため、どうすることもできなくなってしまうのです。

3. 今まで継続した海外投資はどうすればいいか?

これまでの不安に合わせて契約の経緯までマルチがまいの手法で契約させられたかもしれないと思うと、不安はさらに加速するかもしれませんが、そんな時こそ冷静に今後の投資について考えていきたいと思います。

誤解を恐れずに言うと、自分がどんな商品で投資をしているのかがわからない時点で、それは投資ではなくギャンブルになってしまいます。「25年後に1億円になるギャンブル」に賭けているのとなんら変わりはありません。

そのようなギャンブルをこのまま継続するのか、ここで辞めるのか、冷静に考えれば判断ができると思います。

資金に余裕がありここから立て直して満期まで投資を継続するという方は、優秀なIFAを見つけて継続すれば良いですが、満期まで継続できるかもわからない状況や、そもそも海外投資のことを理解していない方は、これまでに積立た金額にかかわらず解約ということも視野に入れて、今後のことを検討することをお勧めします。