ポートフォリオと財産三分法という考え方

オフショア積立に限らず、投資を行っていると「ポートフォリオ」という言葉を耳にする機会が多くなります。ポートフォリオは投資の世界だけでなく、デザインの世界やで使われることもあれば、一般的にも使われることもあります。

ここでは、投資の世界における「ポートフォリオ」という言葉について解説していきます。

1. ポートフォリオとは

金融の世界で言われているポートフォリオの意味は「自分の金融資産全体」のことを言います。現金、株式、現物など合わせた全ての資産です。

例えば預金で200万円、株式で100万円、20万円相当の金を持っていたら、その人のポートフォリオは資産価値として320万円ということになります。

1-1. リスクヘッジとポートフォリオ

ポートフォリオが金融資産全体という意味があることがあり、現金、株式、現物、不動産などをそれぞれ持っているということから分散投資でリスクヘッジするという意味合いでポートフォリオが使われることがあります。

資産が現金一つだけで持つのはリスクがあります。また、株式だけ持っていてもリスクになります。それぞれに分散して持つことでリスクヘッジになるという考え方です。

1-2. 各国のポートフォリオの内訳

日本人はお金は銀行に預けるという考え方が強く刷り込まれていますが、外国の方々は必ずしも銀行に預けるだけでなく、様々な資産を持ってリスクヘッジを行っています。

あるデータでは、ポートフォリオの内訳は以下のようになっているようです。

これを見ると日本人がいかに銀行に預けているかがわかると思います。

1-3. 財産3分法

分散投資の考え方で「財産3分法」という歴史的に言われている言葉があります。「預金」「株式」「不動産」の3つのに分散して投資するという考え方です。金融商品は「安全性」「流動性」「収益性」の3つの視点から評価するとされていますが、異なる視点の商品を持っておくことでリスクヘッジに収益性をもたせます。

現金・預金

現金は流動性と安全性が高いですが、その半面で収益性は非常に低い資産になります。

株式

流動性と収益性が高いですが、価格の変動が大きいという特徴があるため安全性にかける資産になります。

不動産

収益性と安全性が高いため中長期的な運用に向いていますが、流動性が他の資産と比較して非常に低いです。

2. オフショア投資のポートフォリオ

オフショア投資ではプロバイダーが持っているファンドの中から複数選択して運用していきますが、その組み合わせをポートフォリオと呼ぶことがあります。

基本的にポートフォリオを組むのはIFAになりますが、IFAの腕次第で高利回りの出る運用ができるかどうかが変わってきます。実際に利回り10%以上の実績を出しているIFAもありますが、場合によっては数%の利回りしか出せずに手数料負けをしてしまうこともあります。

2-1. ポートフォリオは定期的に見直す

もしかすると、自分がどのようなポートフォリオを組んでいるかわからないという方も多いと思いますが、通常であればポートフォリオは四半期に1回見直しましょう。ファンドのバランスが取れているか、自分が狙った通りの動きをしているか、確認していきます。

四半期に1回は見直すと言ってもその度に変更するわけではありません。基本的にファンドは6~12ヶ月を見て組んでいくので、イレギュラーなクレジットイベントが発生しない限り、頻繁にポートフォリオの変更は行いません。

3. ポートフォリオの組み方

ポートフォリオの組み方は十人十色です。それぞれの投資の目的に合わせてポートフォリオを組んでいきます。ただ、ポートフォリオの組み方の傾向はあり、大まかなパターン化されています。

3-1. 積立開始直後のポートフォリオ

積立を開始した初期のポートフォリオはハイリスク・ハイリターンの組み方をします。理由は、初期にマイナスになったとしてもその後の10年20年でマイナスは取り戻すことが十分可能だからです。

ここでポイントなのが、最初から2年間で停止したり解約できることに安心感を持って投資をしている人は、そもそもの考え方が間違っているということです。仮に、代理店や紹介者に「解約できるから安心」「いつでも停止できるから大丈夫」などと言われているとしたら、詐欺にあっている可能性が高いです。

3-2. ファンドは5つ以上に分散させる

ポートフォリオを組むときにファンドを5つ以上に分散させて組みます。投資の歴史的にみると、5~7個に分散されていればリスクヘッジがされていることになると言えます。しかし、多ければ多いほど良いというわけではなく、分散されすぎると管理が大変になってしまい最適とは言えません。

・一つのファンドに集中させるのは大丈夫なのか?

中には一つのファンドに集中して投資をしているIFAがあるようですが、ファンドが一つだけでは資産運用ではなくてもはやギャンブルになってしまいます。ポートフォリオの組み方に関してしっかりとプランナーと相談をして組み直すことをおすすめします。

3-3. 安定したリターンをだすポートフォリオを組むためには?

投資初心者の方であれば、なるべくリスクがなく安定してリターンを見込めるポートフォリオを組みたいと思いっている人も多いと思いますが、まず、安定して年利10%を見込むのはかなり現実離れしていると言えます。

高利回りを期待できて5%程度と思っていただいた方が良いでしょう。

5%という数字の根拠としては、世界株式の利回りの平均は7%前後ですので、そこから各種手数料を引くと5%前後が妥当な数字となります。

特に初期口座期間は初期口座手数料で6%引かれてさらにその他の手数料を合わせると8%前後の手数料が発生します。なので、リスクをとってポートフォリオを組んでやっと数%の利回りがでるというイメージです。

期待できる利回りが5%としたら、10%とか20%の利回りが出ると説明してきたIFAや代理店は誇大表現をしていることがわかると思います。

話は逸れましたが、安定したリターンを見込むには先進国の債権持っていれば安定してリターンをだすことができます。

安定している先進国の債権として、アメリカ債権は0.2%、EU債権は1%です。思っている数字とはかけ離れていると思ったかもしれませんが、安定させるためにはこのくらいの数字になるのが現実的な運用になります。

4. 長期積立投資のポイント

ここまでポートフォリオについてまとめましたが、長期積立投資のポイントは満期まで積立を継続することと、ポートフォリオの管理を適切に行うことです。

自分は満期まで継続して積立を行っていたとしても、ポートフォリオの組み方が悪くて1つのファンドだけに投資をしていたら、全く意味はありません。アドバイザーとしっかりと連携をとって定期的に見直しながらポートフォリオを組んでいきましょう。