ロイヤルロンドンを早期解約すべき理由と手数料のカラクリ

ロイヤルロンドンの積み立ては2014年頃からブームが始まり、その頃契約をした人は初期積み立てが終わる頃と思います。約2年間積み立てを継続した中で、積み立てが大変になったり本当に積み立てられているか不安になっている方もいるでしょう。

そこで、解約・停止などを検討されている方もいると思いますが、解約・停止はすんなりと手続きできると思っていないでしょうか。

もし、何の問題もなく解約できると思っているようでしたら、その考え方は危険かもしれません。今回の記事を読んでどのような問題があるか、しっかりと確認することをおすすめします。

1. 見落としがちなロイヤルロンドンの(解約)手数料

ロイヤルロンドンの手数料と聞いて、何のことかわからない方もいると思いますが、実はロイヤルロンドンで積み立てをしている期間中は、契約手数料、初期口座管理手数料、解約手数料、等の手数料が発生しているのです。

もしかすると、手数料の話を初めて聞いたという方は意外と多いかもしれません。むしろ、手数料の存在を正確に知っていながらロイヤルロンドンで積み立てをしている方のほうが稀かもしれません。

1-1. ロイヤルロンドンの手数料の種類

ロイヤルロンドンの手数料を一覧表にまとめました。

手数料 料金
契約手数料 USD 8・HKD 62.5/月
契約手数料(積立停止中) USD 24・HKD 187.5/月
初期口座管理手数料 6%/年
投資管理口座手数料 1.5%/年
信託手数料 1%/年
投資先変更手数料 なし
クレジットカード手数料 なし
一括投資手数料 投資額の7%/回

このように、積み立てに必要な手数料を計算してみると、その額が意外にも多くなることがわかります。

初期口座期間は年間で6%の手数料が発生します。年利10%で運用できたとしても6%引かれると残りは4%です。

また、初期口座期間が終了後も初期口座管理手数料として年間6%の手数料を引かれ、投資管理口座(貯蓄口座)に対しても1.5%の手数料が発生します。

なので、ロイヤルロンドンの契約時に年利10%と言われて、その数字でシミュレーションをしたようにはいかないのです。

1-2. ロイヤルロンドンの解約手数料

ロイヤルロンドンを契約するときに、2年間積み立てをすればいつでも停止できて、解約もできると説明されたと思いますが、その際に「解約手数料」についての説明はなかったのではないでしょうか。

ロイヤルロンドンでは、積み立てを解約する際に解約手数料が発生します。その手数料は残りの契約年数によってことなりますが、初期口座、つまり、最初に積み立てた2年間の口座に対して手数料が発生します。

残契約年数 手数料 残契約年数 手数料 残契約年数 手数料
30 年 91.5% 20 年 81.0% 10 年 56.5%
29 年 91.0% 19 年 79.5% 9 年 52.5%
28 年 90.5% 18 年 77.5% 8 年 48.5%
27 年 89.5% 17 年 75.5% 7 年 44.0%
26 年 88.5% 16 年 73.5% 6 年 39.5%
25 年 87.5% 15 年 71.5% 5 年 34.0%
24 年 86.5% 14 年 69.0% 4 年 28.5%
23 年 85.5% 13 年 66.0% 3 年 22.0%
22 年 84.0% 12 年 63.0% 2 年 15.5%
21 年 82.5% 11 年 60.0% 1 年 8.0%

初期口座期間中は手数料が100%なので、お金は1円も返ってこないことになります。

また、解約手数料は満期になるまで0%になることはなく、残年契約数が多ければ多いほど、手数料は高くなります。

例えば、積み立て年数を25年で契約をして、3年経ったときに解約したくなったとしたら、残年契約数は22年になり、契約手数料はなんと84%です。

仮に毎月10万円積み立てをしていたとしたら、

初期口座:10万円×24ヶ月(2年)=240万円
貯蓄口座:10万円×12ヶ月(1年)=120万円
解約手数料:240万円(初期口座)×81%=1,944,000円
返金額:120万円+約50万円=170万円

360万円積み立てをしていたはずが、3年で解約をすると170万円しか返金されないことになります。また、この数字は契約手数料や管理手数料を加味していませんので、実際にはこれより少なくなっているかもしれません。

さらに、ロイヤルロンドンがマイナス運用だった場合、そもそも元本割れをしていることもあり、積み立てどころか、大事な資産がなくなってしまうこともあります。

2. ロイヤルロンドンは満期まで積み立てなければ意味がない

ロイヤルロンドンの積み立てを契約するときに、途中で積み立てを停止いたり解約することも可能と言われて契約をしたかもしれませんが、早期解約をするとほぼ確実に元本割れをしてしまいます。それも大幅に割れてしまいます。

また、年利10%というのも毎年確実に10%出る訳ではなくて、マイナス運用する年もあれば、10%以上で運用する年もあり、満期までの積み立て年数を均すと年利10%になるということなのです。

また、ドルコスト平均法の理論から見ても、積み立てを継続しているから効果があるのであって、停止をしている期間が長ければ長いほど、最終的に戻って来るお金も少なくなってしまいます。

つまり、25年間どんなことがあっても確実に積み立てを継続できない限り、ロイヤルロンドンの積み立ては意味がないと思って思っていただくと良いでしょう。

2-1. 満期まで積み立てようとしている人が少ない

満期まで積み立てをしなければ、ほぼ意味がないにもかかわらず、このような点を理解しないまま契約をしてしまう人が非常に多くいます。

そして、契約時に「途中で解約できるから」「積み立てが厳しくなったら停止できるから」というように途中で停止・解約を前提に積み立てを開始してしまう方も多くいます。

3. ロイヤルロンドンを解約を決断するタイミング

ロイヤルロンドンは「確実に満期まで積み立てができる」と言えなければすぐに解約すべきです。ここまでの解説をしても実態を掴むのは難しいでしょう。さらにロイヤルロンドンで交わされるやりとりは基本的にすべて英語です。契約時にも英語の書類を見て何がなんだかわからない、という経験をしたと思いますが、解約時も同じです。

今すぐ解約したい、と思っているときに英語の書類が読めない、書けないという状況は、非常にストレスで不安ばかりが募っていきます。完全に余剰金で運用している場合はどんなことがあっても問題ありませんが、そうでないならば解約のタイミングは「今すぐ」です。

3-1. ロイヤルロンドンの解約を検討するタイミング

もし解約を迷っている方は、解約を検討するタイミングの目安を参考にしてください。

①まとまった資金が必要になりそう

子供の教育資金や両親、またはご自身の急な入院などに費用が必要になったときは、違約金が発生したとしても解約したほうが良いです。

また、積み立て停止という方法もありますが、積み立て投資は継続して積み立てなければ意味がないので、確実に積み立て再開の目処が立たない限りは解約してしまったほうが良いです。

②契約が満期になった

契約が満期になっても、契約者が99歳になるまで運用が続きます。契約が満期になっただけでは手元に現金を戻すことはできないので、解約の手続きが必要になります。解約のタイミングは運用益高いときや為替が有利のときをみて解約をすれば良いでしょう。

4. ロイヤルロンドンの証券原本はもっていますか?

ロイヤルロンドンを契約したときに証券原本をもらっているはずですが、どこに保管をしているかしっかりと覚えているでしょうか?流れのなかで契約をしてしまって、証券原本をしっかりと保管していないという方も多いと思います。

日本であれば、海外旅行の保険でさえ原本をしっかりと保管すると思いますし、生命保険の契約であればその原本は失くさないように厳重に保管するはずですが、海外の商品では管理が甘くなってしまう人が多いようです。

4-1. 証券原本が必要なとき

証券原本が必要なときは、

①契約内容を確認するとき
②自分の証券ということを確認するとき

の2点です。

①契約内容を確認するとき

長期的に積み立てをしていると自分がどのくらい積み立てをしていてどこに投資をしているかわからなくなってしまうこともあります。

急に現金が必要になったときにどのくらい取り崩しができるか確認したり、運用がどうなっているのか確認するときに、証券原本が必要になります。

②自分の証券ということを確認するとき

自分の証券であるということを証明するための唯一のものが証券原本になります。そのため証券原本がなければ、途中解約することも、満期で解約することもできなくなってしまいます。

ロイヤルロンドンの積み立てがブームになったのが2014年頃ですので、2017年時点で満期になった人は居ないと思いますが、満期になるまでの残りの年数も厳重に保管するようにしましょう。

4-2. 証券原本を失くしてしまったら、再発行手続きをしましょう

もし、証券原本を持っていないのであれば、再発行の手続きをしましょう。契約したときのIFA(契約代理会社)に連絡をして確認をしましょう。

あるいはロイヤルロンドンに直接問い合わせて証券原本を再発行することも可能です。

5. ロイヤルロンドンは早めの解約を!

ロイヤルロンドンを解約すべき理由について解説していきましたが、今すぐ解約したいという方もいるかもしれません。

ロイヤルロンドンの契約をするときにはいい話しか聞かされず、手数料などのリスクがあることを知らずに契約をしてしまったかもしれませんが、ことの重大さに気づかれた方も多いと思います。

将来に備えるために投資を始めたかもしれませんが、その投資の資金を集めるために今の生活や経営が危うくなっては本末転倒です。

また、紹介者や契約代理会社にすべてを任せていて、自分では何に投資をしているのかわかっていないのであれば、それは投資ではなくて「ギャンブル」です。

ギャンブルに毎月数万円、数十万円を注ぎ込むことは危険で良くないことだと理解できると思いますが、それと同じことをやっていると言っても過言ではありません。しかも、そのギャンブルを満期まで継続するのは、経済的にも精神的にも健全ではないことはお分かりかと思います。

ロイヤルロンドンの積み立てに少しでも不安がある方は、すぐに解約して少しでも資産を守ることをおすすめします。