ロイヤルロンドンの手数料と積み立て時の注意点

ロイヤルロンドンの高利回りを期待して積み立てをしている方も多いと思いますが、説明を受けている利率を出すのはかなり難しいということをご存知でしょうか?

その理由の一つに「手数料」の存在があります。

この手数料についてですが、契約時に利回り10%が期待できるなどのオイシイ話だけを説明されて、リスクや手数料の話をしっかりとされたという方は少ないのではないかと思います。

そして手数料やリスクの話を聞いてみると、そう簡単に手を出す商品ではないことに気がつくと思います。今回の記事ではロイヤルロンドンの各種手数料について解説していきますが、これからロイヤルロンドンの契約を検討されている方は手数料のことを考えてから契約するかどうか判断してみてください。

また、すでに契約をしてしまって一定期間以上積み立てをしてしまったというかたは、解約を視野に入れて今後の積み立てを検討してみてください。

1. ロイヤルロンドンの手数料一覧

まず、ロイヤルロンドンの手数料を一覧で紹介します。

契約手数料
契約期間中は毎月発生する手数料です。

契約手数料(積立停止中)
積立を停止できるからと言って契約をした方、実は積立停止中は通常の3倍の契約手数料を引かれてしまいます。

初期口座管理手数料
初期口座とは18~24ヶ月、契約初期に積み立てる口座のことです。「最初の2年間は継続して積み立てないといけない」という説明があったかもしれませんが、それは初期口座に積み立てるための必要期間のことです。その初期口座管理手数料ですが、満期まで毎年6%の手数料が発生します。

投資管理口座手数料:
初期口座期間が終了すると貯蓄口座に積立をしていくことになりますが、初期口座+貯蓄口座の合計が投資管理口座です。そして投資管理口座に毎年1.5%の手数料が発生します。

信託手数料:
運用を信頼して委託することに対して発生する手数料です。難しいことを考えずに、1%の手数料が発生するという認識で問題ありません。

このように、実はあらゆる名目でロイヤルロンドンの手数料が発生しているのです。これがそのような問題が起きるのかというと、例えば初期口座期間は、初期口座管理手数料6%、投資管理口座手数料1.5%、信託手数料1%、合わせて8.5%の手数料が発生します。

それを考えると、最初の2年間は最低でも8.5%以上の利回りを出さないとプラスで運用できないということです。世界平均株価が約7%なので、この数字はかなり高い数字と言えるでしょう。

2. ロイヤルロンドンの解約手数料

ロイヤルロンドンを契約するときに、2年(初期口座期間)が過ぎたらいつでも解約ができるから、とりあえず始めてみればいいよ!という説明をされた方もいると思いますが、その際に合わせて解約手数料についての説明をされた方は少ないと思います。もしこの説明をされた方は、信頼出来るIFA、代理店で契約をしたのではないかと思われます。

※解約手数料についての説明が無かった方は、 IFA、代理店が詐欺の可能性もあるので、一度連絡をしてみることをオススメします。

ロイヤルロンドンの解約手数料は初期口座に対して発生するもので、残契約年数に応じてその数字も異なってきます。

その%を示したのが以下の表です。

残年契約数

手数料

残年契約数

手数料

残年契約数

手数料

30年

91.5%

20年

81.0%

10年

56.5%

29年

91.0%

19年

79.5%

9年

52.5%

28年

90.5%

18年

77.5%

8年

48.5%

27年

89.5%

17年

75.5%

7年

44.0%

26年

88.5%

16年

73.5%

6年

39.5%

25年

87.5%

15年

71.5%

5年

34.0%

24年

86.5%

14年

69.0%

4年

28.5%

23年

85.5%

13年

66.0%

3年

22.0%

22年

84.0%

12年

63.0%

2年

15.5%

21年

82.5%

11年

60.0%

1年

8.0%

もし、2年間積み立てをしてから解約しても積み立て分が戻ってくると思ってる方は、それは大きな間違いです。残契約年数によっては85%~90%の手数料が発生してしまいます。

具体的な数字で例を挙げると、25年契約で毎月10万円の積み立てをしているとしたら、2年後には初期口座に120万円積み立てられていることになります。この2年間が終了した時点で解約しようとしたときに、残契約年数は23年なので解約手数料は85.5%になります。

つまり、

120万円×85.5%=1,026,000円

戻ってくるお金はたったの174,000円です。ここから通常の手数料分を差し引いていませんので、それらを差し引いたり、仮にマイナス運用だとしたら、戻ってくるお金は数万円程度になってしまいます。

この話を聞くと、自分が積み立てをしていることにゾッとするかもしれません。

3. 手数料を考慮すると利回り10%はあり得ない

以上で解説したように、ロイヤルロンドンは運用のための手数料や解約手数料など、諸々差し引かれる金額をみると、当初説明を受けていた話と全く違うことがわかると思います。

「利回り10%で運用して、満期の頃には数億円になっている」

というような話はまずあり得ないのです。

そもそも、年利10%出すこと自体がハイリスクですし、世界平均株価は約7%と言われているのでそれらの数字から手数料を引くと、よく見積もっても利回りは5%程度と言えるでしょう。この5%という数字も決してカタい数字というわけではなく、高いリスクを負って出す数字になります。

4. 停止をしてしまうとドルコスト平均法の恩恵を受けられない

さらに、ロイヤルロンドンの説明をされたときに、継続して積み立てるのが厳しくなったらいつでも停止できるから、という話をされたと思いますが、このロイヤルロンドンの商品は継続して積み立てをするからドルコスト平均法の効果があるのであって、積み立てをやめてしまうとその恩恵はどんどん下がってしまいます。

さらに停止をしている期間は契約手数料が通常の3倍発生するので、どんどんと口座からお金が差し引かれてしまいます。